音大生はつらいよ

大人気の月9ドラマ「のだめカンタービレ」。
このドラマで音楽大学の存在が、にわかに注目されているそうです。
しかし、現実はドラマのようには行かないみたいで…

「のだめ」で注目の音大生　実は学費や職探しで苦労（イザ！）

ある女性バイオリニストは、「学費のローンが2年分しかなかった」という理由で、音大の学科ではなく付属の専門教育コースに通っていた思い出を語っていました。
彼女が通っていた私立音大の入試要綱によれば、音楽学科の4年間の納入金額が約810万円。
他の私大や国立の音大でもほぼ同程度の学費が掛かるとか。
もちろん、受講料や大学内の楽器の使用料は別。自前の楽器を買うとなると、かなりの出費になるそうです。

人気バイオリン奏者の高嶋ちさ子さんは…

「子どものころから一生懸命取り組んで、費やすお金は医学部並み。
でも将来の保証は何もない」

と話し、自らも音大卒業後にアメリカのエール大学に留学していたそうです。

「食べていける保証があったら日本にいた」

高嶋さんは、さらにこう語っていました。

「音大を卒業しても仕事がない」という状況に着目した高嶋さんは、若手女性演奏家を対象にオーディションを実施。
100人近い応募者から選んで、「高嶋ちさ子　12人のヴァイオリニスト」を結成したそうです。

かつて、空席の目立つコンサートでの演奏を経験していた高嶋さん。自ら悩んだ末に「みんなが知っている曲を演奏する道」を選び、ホールを満席にさせました。

「上達さえすればソリストとしてやっていけるわけではない。
お客さまに楽しんでもらう努力をしなくては」

アメリカの音大では、ドレスの選び方、ちらしの作り方など、公演を成功させるこつを教えるところが数多く存在しており、実際、高嶋さんが留学したエール大学でも、構内にあるホールで学生がコンサートを開き、卒業試験として集客の成果も評価の対象にしているそうです。

「日本の音大生の考えは甘いのでは。
お客さまを喜ばせる重要さを身をもって感じてほしい」

高嶋さんはこう指摘しています。
「名演奏家になる」という夢も大事ですが、現実もしっかり向き合うことも大切なんですね。

12人のヴァイオリニスト

• アーティスト: 高嶋ちさ子, マスカーニ, 今野均, モンティ, 宮野幸子, R.ロジャース, 荻野清子, グノー, 加藤真一郎, ヴィヴァルディ, ブルッフ
• 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
• 発売日: 2006/11/22
• メディア: CD

↓そういや、この方も現役の音大生でしたな。

天球の音楽

• アーティスト: 牧野由依, 菅野よう子, かの香織, 窪田ミナ, 河井英里, 佐々倉有吾, 伊藤利恵子, 北川勝利, 梶浦由記, 五島良子
• 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
• 発売日: 2006/12/06
• メディア: CD